ペットに使用してはいけない食品添加物

日本において、ペットフードに使用してはいけない食品添加物は、「愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律」(通称:ペットフード安全法)や関連する省令によって規制されています。特に、以下の添加物には使用制限や禁止があります。

使用が禁止または厳しく制限されている添加物

  • プロピレングリコール(PG): 猫用のペットフードには使用が禁止されています。犬用のセミモイストフードやソフトドライフード、一部のトリーツには保湿剤として使用されることがありますが、猫ではごく少量でも溶血性貧血を引き起こす可能性があるため、使用が禁止されています。
  • 特定の酸化防止剤:
    • エトキシキン: ダイオキシン系の化学物質であり、人間用食品には日本では使用が認められていません。ペットフード安全法では、BHA、BHTとの総量で規制値が定められていますが、その毒性が懸念されています。
    • ブチルヒドロキシアニソール(BHA)
    • ジブチルヒドロキシトルエン(BHT) 上記3つの酸化防止剤(エトキシキン、BHA、BHT)は、合計で150 µg/g以下という使用基準が定められています。特にBHAは欧州で一部使用が禁止されているなど、安全性への懸念が指摘されています。
  • 特定の着色料(タール色素):
    • 食用赤色2号、3号、40号、102号、104号、105号、106号
    • 食用黄色4号、5号
    • 食用緑色3号
    • 食用青色1号、2号 これらの合成着色料は、発がん性やアレルギー反応を引き起こす可能性が指摘されており、日本では使用基準が厳格に定められているか、使用が禁止されているものもあります。多くの良質なペットフードでは、これらの人工着色料の使用を避ける傾向にあります。
  • 亜硝酸ナトリウム: 発色剤として使用されることがありますが、その使用量は100 µg/g以下に制限されています。

その他、注意すべき物質

法律で直接的に禁止されていなくても、ペットの健康に悪影響を及ぼす可能性があるとして、注意を促されている物質もあります。

  • キシリトール: 犬にとっては非常に危険な物質であり、少量の摂取でもインスリンの過剰分泌による血糖値の急激な低下(低血糖)、震え、嘔吐、脱力感、さらには肝臓へのダメージや死に至る可能性もあります。犬用ガムや歯磨き製品に含まれていることがあるため、特に注意が必要です。猫への影響については犬ほど研究が進んでいませんが、同様に与えるべきではありません。
  • グリシリジン・アンモニエート: 甘味料として使用されることがありますが、犬の健康に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。

事業者の責任と情報開示

ペットフード安全法は、ペットフードの製造・輸入・販売を行う事業者に対して、使用する添加物が犬猫に安全であることを自らの責任において確認し、必要最小限の量で使用することを求めています。

また、上記で述べたように、甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤の6種類の添加物については、その用途名と個別名称の両方をパッケージに表示することが義務付けられています。これにより、飼い主はどのような添加物が使用されているかを把握し、製品を選ぶ際の参考にすることができます。

最終的に、ペットの健康を守るためには、表示された原材料と添加物をよく確認し、疑わしいものや不明な点があれば獣医師に相談することが重要です。